フォーラムなど企画(2018年)

2018年3月11日/日本市民安全学会/浦安市浦安市新市役所庁舎見学と認知症体験ツアー[主催]日本市民安全学会

 [内容]
第一部【浦安市役所】
浦安の水害史と水害対策について
浦安市危機管理監、河合繁樹氏
市役所10階の会議室において、浦安警察の方から浦安市の犯罪情勢を報告していただきました。2017年は、千葉県は前年比で減少しましたが、浦安市はわずかですが増えているとのことでした。また、詐欺は千葉県も浦安市も増えているようです。そのあとに、自衛隊千葉地方本部の方から災害時における自衛隊の活動について報告していただきました。年間で500~600件の災害派遣を行っているとのことで、その派遣の形態や、派遣の基準などについてと、実際の派遣の状況についてお話ししていただきました。そして、浦安市の河合危機管理監からは、浦安市の災害時対応についてお話ししていただきました。浦安は埋め立て事業により、村だった頃に比べておよそ4倍の面積になっているとのこと。東京湾に面しており、古くから高潮や台風の災害が多かったようです。今回は、内水災害を中心にお話ししていただきました。万が一の際の避難行動について、シチュエーションごとにイメージしておくことが重要とのことでした。また、“避難準備情報”という名称が“避難準備・高齢者等避難開始”に変更になったことについてもお話ししていただきました。
その後、市役所4階の防災情報室に場所を移し、災害時対応の実際の現場を視察させていただきました。市内全域を見ることができる高倍率ズームカメラの映像や、Jアラートの受信システム、各自治会との連絡用の無線システムなどを紹介していただきました。隣の部屋は災害対策本部になっていました。また、東日本大震災からちょうど7年の14時46分、参加メンバー全員で一分間の黙祷をささげました。

第二部【サービス付き高齢者住宅「銀木犀」】
市役所からバスで移動し、高齢者施設を見学させていただきました。「銀木犀」は耐震性に優れた建物と木をふんだんに取り入れた過ごしやすい施設のようでした。入居されている高齢者の方が運営する駄菓子屋は近所の子どもたちに人気とのことでした。こちらの施設では、最先端のVR技術を使った認知症体験をさせていただきました。認知症の方の監修のもと、映像コンテンツを制作されているとのことで、非常にリアリティの高いものとなっていました。
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今回は、知っているようで知らないことを学ばせていただきました。前半は災害時における自衛隊や市役所の運営実態について、後半は症状としては知っているつもりの認知症について、どちらもより詳しく知ることができました。自衛隊の災害支援については、もっと国民にアピールしてもいいのではないかと感じました。また、認知症の方がどのような感覚で過ごしているのかの一端を見ることができたような気がしました。特に、レビー小体型認知症の幻視編は衝撃的でした。認知症を理解するための最短ルートではないかと思いました。

2018年2月18日/日本市民安全学会/厚木市・アミューあつぎ6階
市民のための特別公開講座
[主催] 日本市民安全学会

[内容]
よそ者が万歳三唱を任されるまでに何をしてきたのか
 ~ソーシャル・キャピタルとコミュニティー~
浅川達人教授 (明治学院大学 社会学部) 
東日本大震災による津波によって大きな被害を受けた、岩手県大槌町の吉里吉里地区での復興支援についてお話ししていただきました。
復興支援といっても、がれきの撤去などといったものではなく、子どもたちの学校を再開させるために、教室の窓ふきや床掃除などを行ったり、子どもたちと遊んだりというところからスタートしたとのことでした。
他にも、地元のおばあちゃんたちに郷土料理の“こまこま汁”を教えてもらったり、津波でほとんどが失われてしまった吉里吉里語辞典の復刻版を作成したりして、地域の方たちの生きがいややりがいを創り出す活動も行っているとのことでした。
最終的には、発表タイトルにあるように、地域の運動会にて万歳三唱を任されるまでになり、復興を手伝ってくれた人たちというよりも、地域のメンバーとして認めてもらえるまでになっていったとのことです。
 
特に、社会学的側面からの復興支援について学ぶことができました。先生の言葉に、「復興とは、元の記憶を土の下に埋めてしまうこと」という表現がありましたが、衝撃的でした。沿岸地域ではかさ上げ事業により、さまざまな記憶が埋められていることに気づかされた瞬間でした。
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続く第二講では、厚木市役所の上野進氏に、厚木市のセーフコミュニティの活動状況についてお話ししていただきました。
セーフコミュニティを市民協働で進めることで、刑法犯認知件数の減少はもちろんのこと、市民の満足度や体感治安が向上しているとのことでした。
セーフコミュニティに取り組む前と現在のデータを比較してデータは次のとおり。
 データからわかるように、厚木市で最も刑法犯認知件数が多かった時期である平成13年~15年には、まちの治安が悪くなっていると感じている方が50%以上いたことがわかります。セーフコミュニティを導入後の現在では、刑法犯認知件数の減少はもちろんのこと、まちの治安が悪くなったと回答したが43.6ポイント減少し、まちの治安が良くなっていると感じている方も年々増加するなど、セーフコミュニティの導入による効果が実を結んでいる様子が伺えました。このほかにも、交通安全対策、子どもの安全対策について話があり、各対策に現状や課題を確認することができました。
 また、セーフコミュニティの導入により、厚木市民の安心・安全に対する意識にも変化が現れていました。セーフコミュニティによる安心安全なまちづくりへの満足度の増加、セーフコミュニティの継続の必要性の高さからもわかるように、厚木市が市民とともにセーフコミュニティを推進してきたことが、このデータに繋がっていると感じた一方で、セーフコミュニティの認知が60%前後で推移していることを考えると、更なる市民への活動の周知、活動参加の促進等が必要だと感じたところです。