フォーラムなど企画(2019年)

2019年4月6日/日本市民安全学会/有楽町国際ビル8F・日本倶楽部
[主催]日本市民安全学会

[内容]
1 警視庁技能指導官の技とこころ:被疑者車両割り出しの術
  警視庁鑑識課 田村彰氏(警視庁技能指導官)
  いまや、犯罪に関わった車両の割り出しには、街中の防犯カメラに残された車両の映像が欠かせません。しかし、鮮明な画像が得られることは、ほとんどありえません。鑑識官の観察力によって、画像から得られたほんのわずかな車の特徴をつかみ、その車を運転もしくは同乗していた被疑者と考えられる人物の特定で検挙につなげているとのことです。ナンバーが映っていたとしても、偽造ナンバーであることが多く、全く違う人物を誤認逮捕してしまうことにもなりかねません。車両の特徴を積み上げて、外堀を埋める地道な手法が有効とのことでした。

 

2 明日の社会(Society5.0)にかける夢
 ~ドローン・電気自動車・自動運転車・空飛ぶクルマ~
  澤田雅之技術士事務所所長 澤田雅之氏
 (元警察情報通信研究センター所長)
最新のドローン技術と、最新の自動運転自動車の技術を組み合わせることで、将来的には空飛ぶクルマが実現するという夢のあるお話しをしていただきました。ラジコンヘリはコントロールが非常に難しいが、ドローンはあらゆるセンサーにより、空中の一点に留まるようにプログラミングされているので、操縦は難しくないとのことです。また、自動運転車は、現状では部分的に自動運転をするレベル2という段階ですが、将来的には完全な自動運転となるとのことです。

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 田村氏の画像から車を見つける観察力という技術は、いわばディープラーニングの究極といった感じで、車の特徴データベースの積み上げと、わずかな映像から情報を読み取るものと言えそうです。また、澤田氏の自動運転車のお話では、車のフェイルを人がセーフするというレベル3は合理的ではないとのことで、非常に危うい段階であると感じました。こちらも画像情報等の積み上げによる、ディープラーニングと言えそうです。  

2019年3月16日/日本市民安全学会/朝霞駐屯地陸上自衛隊総司令部、陸上自衛隊広報センター「りっくんランド」での研修
[主催]日本市民安全学会
[共催]警察政策学会、NPO浦安防犯ネット、ベイエリア連携の会
[協力]陸上自衛隊陸上総隊司令部

[内容]
私たち市民生活の安全安心に大きくかかわる日本の防衛について、陸上自衛隊朝霞駐屯地にお伺いし最新の状況を学びました。一般に開放されている「りっくんランド」とは別に、普段は入ることができない、陸上総隊司令部にて防衛講話をしていただきました。

防衛講話「陸上自衛隊の概要と改革、陸上総隊の概要と災害対処」
陸上総隊司令部 一等陸佐 大塚慎太郎氏


まず、陸上自衛隊の概要についてお話ししていただきました。
組織定数としては15万9000人で、駐屯地の数は160以上にもおよびます。時代とともに、社会および世界の情勢変化に応じて、主たる脅威は変わってきているとのことです。
さらに、2018年3月新設の陸上総隊は、全国の陸上自衛隊を統合運用するべく組織され、全国の師団・旅団も即応型に改編し、さらに島しょ部への対応力を確保するために、水陸機動団などが新たに創設されたとのことです。
最後に、災害派遣と首都直下地震への対応のお話もしていただきました。災害派遣では、さまざまな災害対応がある中で、離島からの患者搬送は毎日のようにあるとのことです。また、口蹄疫や鳥インフルエンザなどの対応も任務となっており、今年広範囲に発生した豚コレラにも対応しているとのことです。
首都直下地震の対応では全国から自衛官が集まるとのことですが、そんな中でも一部の部隊は国防任務をおろそかにすることがないように体制を整えているとのことでした。

 

振武臺記念館の見学
敷地内にある振武臺記念館は、旧陸軍士官学校の建物を移設したもので、戦前の士官学校での教育内容など各種資料、文物が展示されており、同館説明隊員の力のこもった説明(朝霞の地名の歴史、士官学校の創設や見学精神、服装、教育内容、卒業者一覧、振武臺の扁額(敗戦時、扁額を米軍から守るため地下に埋蔵)、米軍施設として使われた頃の状況など、昔の日本人の姿を学ぶ感銘の深い説明でした。

りっくんランド館見学
 最後に、りっくんランド館を見学し、陸上自衛隊の装備の実物の展示、ヘリコプターのシュミレーター飛行体験など朝霞駐屯地での現場研修を終えました。

2019年2月23日/日本市民安全学会/有楽町国際ビル8F・日本倶楽部
[主催]日本市民安全学会

[テーマ]
海洋が創る未来 海洋観光立国のすすめ
海洋観光研究所  中瀬勝義 氏
 世界第6位の広さの海域を持つ日本。この豊かな資源を活かした「海洋観光立国」の在り方についてお話していただきました。欧米では海でのレジャーは一般的で、ヨットやボートでの船旅も行われているとのことです。一方、日本には港がたくさんあるにも拘らず、一般の人が利用できるところは非常に少なく、それが海洋レジャーを阻害している要因のひとつではないかとのことです。また、現在、日本は自動車産業などの工業先進国であるが、このままの姿で中国や東南アジアの国々に太刀打ちできません。それ以外の“資源”を活用した方向性を打ち出すことが、いまの日本に必要とのことでした。農林水産業の発展によって自給率を向上させ、工業先進国からの転換を目指すことが、これからの先進国日本の立ち位置ではないかとのことでした。その前進のためにはヨーロッパの“バカンス”が不可欠と提案していました。そのことが幸福度世界第2位のデンマーク王国にも勝る民主的な立憲民主国天皇制日本国づくりになるのではないでしょうかとのお話でした。



2019年1月19日/日本市民安全学会/有楽町国際ビル8F・日本倶楽部
[主催]日本市民安全学会

[テーマ]
リアリズム国防論
元陸上自衛隊陸将補 河井繁樹氏
 昨年、彩図社から出版された「リアリズム国防論」の著者が、安全保障、災害派遣、日米同盟、国際平和協力活動等の国防の最前線に立ってきた経験に基づき、それぞれについて具体的に解説をされました。
①東西冷戦時代における北海道の最前線勤務の話では、ソ連にとっての北海道の戦略的価値や、ソ連の北海道侵攻を阻止するための自衛隊の戦い方や現場の隊員が緊張感をもって訓練に取り組んでいたこと

②中国の急激な軍事力の増強や太平洋進出のための活動の活発化等の安全保障環境の変化による自衛隊の組織改編や戦い方の変化
③我が国防衛上の日米同盟の重要性や米軍との信頼関係の構築の現場
④冷戦終結後の国際貢献のための自衛隊の国際平和協力活動では、実際に確認した中南米のハイチPKOやアフリカの最も新しい国である南スーダンPKOなどの現地の状況に触れ、国連にも評価されている派遣国住民の目線に立った日本らしい活動の実施現場
⑤さらには災害派遣に対する現場隊員の意識や被災者目線での活動
などについて、具体的な話を交えながら分りやすく説明がなされました。
 また陸上自衛隊で最も過酷な訓練と言われているレンジャー訓練での苦労話では、水と食料が制限される状況下で、道なき道を行進しながら降ってきた雨水をためて水分を取っていた経験や、すべての任務が終了して駐屯地の全隊員や家族などに迎えられる感動の帰還式の様子なども紹介されました。

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 会員の皆さんにとっては、日頃目にすることのない防衛の最前線での話を聞くことができて、防衛省・自衛隊や安全保障に関して関心が高まったのではないでしょうか。