今世紀に至り、安全問題は、地球規模においても、国家規模においても、私たち市民生活の場においても、最重要の課題として急浮上しました。特にわが国においては、これまでの安全神話が崩壊し、市民生活の安全を脅かす犯罪、事件、事故等の社会事象が一層複雑化と深刻化の度合いを深め、市民の生活に大きな損害と不安を与えています。市民生活の安全問題は、今や一人ひとりの市民にとって大きな関心事であり、国や自治体にとっても社会全体で取組むべき喫緊の課題となっています。
もとより市民生活の安全・安心問題は、市民・警察・自治体がまさに三位一 体となり、これに関係する安全問題の専門家、関係業界はじめマスコミなどそれぞれの関係者が相互に連携・協力・協働して問題解決を図っていくことが必要不可欠です。このような問題認識の下、私たちは「市民の安全」にかかわる関係者が交流を深め、自由闊達な討議の下、学術的・国際的な研究・交流を通じて、市民安全学の発展・普及および研究者相互の連携・協力をはかることを目的に日本市民安全学会を設立いたしました。
日本市民安全学会は座学や講演・論文の発出のみならず、地域の視察・研修・セーフコミュニティとの訪問連携・イベント協力など、常に現場主義を貫いて活動参りました。
世界的なCOVID-19パンデミックの中においても、日本市民安全学会の活動に賛同いただいている様々な安全管理のプロ、研究者そして会員の創意工夫と尽力・不屈の精神により、いち早くリモート会合を立ち上げ、参加者や会員の即時順応により、むしろ以前よりも活動回数を拡大して参りました。
日本市民安全学会は、「市民が主役の安全・安心まちづくり」「市民安全学の発展」「普及の場」として、その志を未来に伝承して参ります。