名誉シニア フェロー第3期
小林常良氏、山内勇氏、新井山洋子氏、倉持隆雄氏、渡辺良久氏
認定日:2023年6月3日
名誉シニアフェロー第3期は5名が総会で承認されました。WHO推奨のセーフコミュニティ(以下、SC)(コミュニティの安全についての国際認証制度)の日本導入の道を拓き、市民生活の安全の質を高められました。
小林常良 氏 前厚木市長
WHO推奨の安全安心まちづくりSC制度の導入を、いち早く政治決断され、市民とのタウンミーティング等を通じ、根拠ある新たな市民協働のかたちを定着されました。また、未知なる制度への果敢なチャレンジは、行政トップのイニシアティブなくしてはありえないことを示されました。
また、全国SC推進自治体ネットワーク会議初代議長として、10余年にわたり、全国SC推進自治体の求心力として活躍されました。
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山内 勇 氏(亀岡市)、新井山洋子 氏(十和田市)、倉持隆雄 氏(厚木市)
3名の方は、各自治体のSC担当初代責任者としてSCの考え方や手法をゼロから学びつつ、これを咀嚼し、行政内部の調整、医療機関、警察消防など関係機関、市域関係団体、地域自治会、学校、研究者等との信頼関係を築きながら、SCの啓発普及に全知全霊を傾け市民の安全・安心の向上に尽力されました。また、SCのおける「行政とコミュニティを繋ぐキーマン(コーディネータ)」の重要性を示されました。
この行政担当者の実践例は、本学会が目指す市民安全・安心学の構築、即ち、市民の目線で地域住民自らが主体的に安全安心まちづくりに取り組む手法の研究・調査・実践方策のあり方に、大きな示唆と教訓を与えるものとなりました。
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渡辺良久 氏(厚木市SCサーベイランス委員会委員長 東海大学)
厚木市SCの立ち上げ時からSCサーベイランス委員会委員長として、定時的な統計資料の他、救急搬送データや病院データ、警察データなどを分析・評価されるなどSCの鍵となる「根拠に基づいた方策」の基盤を築いてこられました。また、厚木市の方策や分析結果を世界会議や国際審査の場で情報発信され、国際機関からも高く評価されています。
サーベイランスは、大変奥が深く、社会調査の仕方、統計学の考え方やデータの読み方、公衆衛生学や疫学の知見が必要となりますが、これらは通常の行政実務では知り得ない知見で、研究者や専門家なくしてはSCの推進はありえないことが明らかになりました。 コロナ禍においても、国レベルでも市民レベルでもデータの扱い方やその活用が問われる時代になりましたが、SCではコミュニティレベルでサーベイランスを基盤にしたまちづくりをしたことになります。
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名誉シニア フェロー第2期
富田俊彦氏
認定日:2022年5月14日
名誉シニアフェロー第2号には、富田俊彦氏が推薦され総会で承認されました。同氏は、学会での組織運営の要として活躍され、また、鍵の安全基準づくり、地域安全活動など市民安全学構築に多大な貢献されたものです。
石附会長から記念碑贈呈のあと、「鍵穴の向こうの安全安心を求めて」」と題して記念講演がありました。富田氏は、第2機動隊時代の浅間山荘事件のことや、ピッキング犯の検挙事案、さらには地域の小学校の金網補修を通じた、子どもたちへの安全安心の啓蒙活動などについてお話をいただきました。
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名誉シニア フェロー第1期
前田浩雄氏
認定日:2020年11月5日
名誉シニアフェロー第1号には、前田浩雄氏が推薦され総会で承認されました。
同氏は、学会での組織運営の要として、また、学会主催の安全安心まちづくり大会などで多大な活躍をされました。
特記すべきことは、地区の防犯パトロール隊長として、日々の防犯パトロール活動を数値化(エンジニア手法)、これと地区の犯罪発生状況と突合、地域の防犯活動の課題をブロックごとにリアルタイム把握して予防安全活動に反映させ、地区の犯罪発生を劇的に減少させたことです。 前田氏の科学的分析手法は、「防犯活動はその効果の測定が困難」という当時の社会常識を覆し、防犯活動と犯罪発生数値化すれば測定でき、これを防犯活動に反映させるという画期的・先駆的なもので、地域の予防安全活動に新たな社会的価値を生み出し、市民安全学の発展に多大な貢献をされたことです。
石附会長から記念碑贈呈のあと、「経験という貯金を使って」(防犯活動で学んだこと、日本市民安全学会に残したいこと)」と題して記念講演がありました。防犯活動を始めたきっかけが世田谷区の宮沢一家殺人事件(平成12年)にあったこと、玉川田園調布という地域と住民の特性を踏まえ、かつ、予防安全活動の科学的合理的進め方、地域の安全安心創造の具体的な実践活動についてお話をいただきました。
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名誉シニア フェロー選考委員会
部会長 | 山本俊哉先生(評議員) |
副部会長 | 原田豊先生(夢委員会委員長) |
選考委員 | 山下弘忠総務局長、濱田宏彰編集委員長、菅野泰彦第1次長、西山智之第2次長 櫻田秀美常任理事、村瀬恵子常任理事、堀内裕子常任理事 斎藤晃顕常任理事、河井繁樹常任理事、鈴木英夫常任理事、川崎末美常任理事、 前田浩雄様(名誉シニア フェロー第1号)宮崎道名総務省地域力創造アドバイザー 、事務総括 石附 弘 |