● 安全・安心文化の創造
世界を変える「光格子時計」
日本市民安全学会会長 石附 弘
東京スカイツリーの展望台と地上階(450mの高低差)では、展望台の方が1日に10億分の4秒速く進んでいることを実証し、世界に衝撃を与えたお話です。
去る11月17日、帝国ホテルで、2022年度の本田賞(注)に香取秀俊博士が選定され、その授与式・記念講演が行われ、筆者も参席させていただいた。
本田賞は、世界の人々の生活に貢献する業績を残した科学技術者に授与されるもので、香取博士は300億年に1秒しか狂わない「光格子時計」を発明されたという。
(注)本田賞は、「人間環境と自然環境の調和をはかる技術「エコテクノロジー」の理念に基づき1980年に設立された科学技術分野における国際褒章。
この高精度時計は、地上1cmの高低差を計測できるため、世界時間の基準や防災対策の進化にも役立つといいます。香取博士が「好奇心が駆動するサイエンスを未来の技術につなぐ」と題して、その夢を熱く語っておられたのが印象的でした。