NPO法人e-Lunch (イーランチ) 理事長 松田直子
(前号よりの続き)
3.ネットの安全活用を守るのは情報モラルとメディアリテラシー、その基盤は自律心
子どもがインターネットを安全に活用するためには、情報発信に際しては人を傷つける情報やデマ・フェイクを投稿したり拡散したりしない「情報モラル」が、情報受信時には情報の出どころを確認して情報の真偽を見きわめる「メディアリテラシー」が必要です。ただ、子どもが調べものをするときはネット検索だけでなく、本で調べたり、それに詳しい人に直接話を聞いたり、自分の五感で確認するなど、子ども自身が経験し、子ども自身で考えるように働きかけることも大切です。
最近ではネット上のいじめが増えていますが、遊びのつもりでも誰かを傷つけたら犯罪です。また、ネットに匿名はありません。一度投稿した情報は永遠に消えないし拡散されもします。それが将来の受験、就職、結婚に悪影響を及ぼすこともあります。さらに、SNSやオンラインゲームでの出会いが犯罪に繋がったり、下着・裸の自撮りが児童ポルノ禁止法に触れたりすることも知っておく必要があります。
かつて、さまざまな生活体験やお手伝い、自然体験を豊かに経験した子どもの道徳心や正義感が高かった、という調査報告がありました。お手伝いをすれば感謝され、承認欲求が満たされることが自己肯定感につながります。太陽が昇るところや沈むところ、夜空いっぱいに輝く星を親子でゆっくり見るなど、親子の共有時間をもつことで子どもの心は満たされます。このような子育てを意識することで、子どもたちには、加害者や傍観者ではなく、誰かを守る人・救う人になってほしいと思います。
またオンラインゲームやインターネットの長時間利用に陥らないためには、自分で自分をコントロールする「自律心」が大切です。自律心が高い子どもの方が、学業成績が良いと分析されたデータもあります。