23回大会・記念行事

大人の見学会

日時:2025年7月5日(土)
場所:横浜市立大学 福浦キャンパス
[主催]日本市民安全学会、横浜市立大学医学部精神看護学専攻研究室
[後援]警察政策学会市民生活と地域の安全創造研究部会、日本セーフティプロモーション学会
[協賛]一般社団法人横浜総合医学振興財団、イオン金沢八景店、金沢地域活動ホーム「りんごの森」

 今回の総会および記念行事は、横浜市金沢地区の称名寺の歴史探訪からスタートしました。鈴木英夫氏(神奈川大学法学部教授)による称名寺の成り立ちやその時代背景などをオリジナルの解説書とともに説明していただきました。浄土式庭園として造られ、西の平等院鳳凰堂、東の称名寺とのお話など大変興味深い学びをいただきました。その後、会場を横浜市立大学福浦キャンパスに移し、総会及び記念行事が行われました。

1 総会

 本年度の総会は横浜市立大学の山田先生のご尽力により、同大学福浦キャンパス看護教育研究棟にて開催されました。多くの会員に参加していただき、議長に選出された小澤理事の進行によって、第一号議案から第四号議案まで、いずれも全会一致で可決されました。また、最後に名誉シニアフェロー第5期の承認も行われました。

2 記念行事

命の安全事始め「気づき&気づかせ」の作法~看護と防災における「作法」について~

(1)第一部 名誉シニアフェローの称号贈呈式

 総会にて承認された2名のこれまでの活動を紹介し、それぞれ記念碑が贈呈されました。今回受彰されたのは、市民安全学の領域に新しい風を取り入れそれぞれの地域でご活躍されてきた方々です。

     贈呈式にあたり、今回の名誉シニアフェローの選考理由などについて、選考委員会委員長西田佳史氏(東京科学大学教授)から説明がありました。また、お祝いの演奏として、いきものがかりの「ありがとう」を原田豊氏(立正大学教授)の演奏、さらに、山下史雄氏(元警察庁生活安全局長)からお祝いの言葉を頂きました。

    記念講演

     名誉シニアフェロー受賞を記念して、2名の受賞者からこれまでの活動やご苦労話などを交えてご講演いただきました。

    後藤一明

     演題:「市民」が「主役」の総合的地域安全活動~気づき&気づかせから広がる地域安全の輪~
     春日井安全アカデミーとボニタ―※養成講座を修了したメンバーとともに「安全・安心まちづくりボニタ―」をスタートさせ、地域の安全安心に尽力してこられたとのことでした。防犯の観点では、児童見守り隊や通学路点検、こども防犯教室などを行い、災害の観点では、災害図上訓練(DIG)や避難所運営ゲーム(HUG)、マイタイムラインの作成などを行ってきたとのことです。
    ボランティア活動を通じて多くの方たちとの関わりが、多くの気づき・気づかされに繋がり、たくさんの方々と関係を気づくことの大切さを確認できたとのことでした。

    ボランティアとモニターを合わせた春日井市独自の造語

    後藤一明氏
    堀口眞

     演題:町内防災隊創設から地域防災ドローン導入までの20年間
     自治会長に就任して防災会の必要性を見出し、その立ち上げから運営に至るまでの様々な取り組みについてお話ししていただきました。自治会組織とは別個の“独立防災隊”として活動し、東日本大震災でも活躍されたとのことでした。
    現在は、災害時における被害状況把握などを目的として、ドローンを用いた新しい防災活動に注力されているとのことでした。「ドローンは空飛ぶ火の見やぐら」と称して、発災時には上空100mを飛行させ、いち早く状況把握ができるよう、日々訓練を続けているとのことでした。

    堀口眞氏

    (2)第二部 研究大会

    基調講演

    山田典子氏(横浜市立大学大学院医学研究科社会精神看護学専攻教授)
    演題:市民安全学と社会精神看護学からのアプローチ

     社会精神看護学とは、アフターコロナ時代の不安症患者の増加、ゲーム、ギャンブル、薬物依存、DVや虐待相談件数の増加、女性や若者の自殺の問題など、個人の健康課題と社会の情勢が密接に関連することを踏まえ、「こころのけがと病」に対応できるように、2025年度樹立した新たな研究教育分野です。被害者や加害者となった精神障害者への看護(Forensic Nurse)を開発します。その第1人者がナイチンゲールです。Forensic看護は市民の安全と直結すること、協働の大切さを理解しました。

    意見交換会「命の安全事始め『気づき&気づかせ』の作法」

     今回、刊行した“「市民安全の栞」第5号”にて、気づき&気づかせに関するフレーズを10人の会員に投稿していただきました。その方々を交え、今回の参加者を6グループに分けて意見交換会を行っていただきました。1時間と短い時間ではありましたが、それぞれのグループでは活発な議論が行われていました。最後に、グループの代表者にその総括をお話ししていただき、参加者全員で内容を共有する事ができました。

    学生の感想

    Aさん

     このような学会に参加させていただいき、とても貴重な経験になりました。地域で行われている減災・災害対策について知ることは、自分の命も、家族の命も守る行動につながっていくと思います。小中学生の時には当たり前に行われていた避難訓練やハザードマップの把握が、大学生になった今ではできていないなと振り返ることができました。今まで私たちが何気なく生活をしている地域にもこのような方が活動してくださっていることで安全に生活できているとわかりました。安全について考えることは、地域で生活を続けていくためにとても重要なことであるため、私自身も意識していかなければならないと考えさせられました。

    Bさん

     先日は日本市民安全学会に参加させていただきまして、ありがとうございました。

    名誉シニアフェローのお二方のお話を伺って、地域のために何かしたいと思うだけでなく、大変な思いをしてもそれを実現されている姿に感服いたしました。また、グループワークでは、消費者センターや大学、SECOMなど、さまざまな分野で活躍されているプロフェッショナルの方々とお話をさせていただくことができ、大変刺激を受けました。皆様、学生の話によく関心を持って耳を傾けてくださいました。

    私は学会に参加させていただくことが初めてだったので、何もかもが新鮮で有意義な経験となりました。このような機会を与えていただき、大変感謝しております。

    (3)総括

     最後に、藤岡一郎氏(元京都産業大学学長)からお話をいただき記念行事は終了しました。終了後、金沢八景駅前にて懇親会が開かれ、さまざまな話題で盛り上がりました。