2019年7月27日
[主催]日本市民安全学会
[場所]小田原
[内容]歴史探訪 in 小田原「二宮尊徳&小田原城」
~コミュニティ改革の作法と不落城の危機管理(90年統治存続の秘訣)~
1.報徳博物館
仕事と勉学の両立の象徴として、二宮金次郎の薪を背負い書物を読んでいる像は有名です。
その金次郎の故郷である小田原を訪ねました。
二宮尊徳の報徳思想(私利私欲に走るのではなく社会に貢献すれば、いずれ自らに還元されるという思想。勤労・至誠・分度・推譲などから成る。)と生い立ちや業績を紹介する博物館。
7月21日に展示室がリニューアルされたばかりで、明治天皇が大切されていた「二宮金次郎像」(岡崎雪聲作:明治神宮蔵)が特別展示されていました。
金次郎は、江戸末期の人口減少・財政破綻の厳しい時代に、報徳思想をもって、数々の逆境に立ち向かいながら、小田原藩はじめ桜町領などの財政再建、東北地方の開拓に多大なる功績を挙げ、その後の日本の大企業の創業者達にも大きな影響を与えたことを詳しく教えて頂きました。二宮尊徳は「道徳を忘れた経済は、罪悪である。経済を忘れた道徳は、寝言である。」との名言を遺しています。
2.小田原城
難攻不落の城として有名ですが、北条氏の時代には上杉謙信や武田信玄が攻めてきても陥落しなかったそうです。地元のガイドの方の説明によれば、お堀の水面下にある「障子堀」という落とし穴のような構造や、塀で囲まれた空間で敵に足止めさせて壁の穴から矢や鉄砲で攻撃する仕掛けなど、随所に城内への侵入を多重に防護する知恵が組み込まれたお城であると解説していただきました。
小田原城は白い城ですが、松本城や熊本城などの黒い城もあります。その違いは諸説あるようですが、豊臣秀吉は金が好きで、それが目立つ黒を多用したという説をお話していただき、少し納得した面々でした。