副会長 斎藤晃顕
野村誠先生との出会いは突然のことでした。昨年の6月幕張メッセで第8回JAPANDRONE展があり、異様な熱気で溢れる会場の奥でひっそりと展示してあったのが、何と木製ドローンでした。広大な会場に大小さまざまなドローンが展示されている中で、唯一の作品でした。
機体は全てカーボン製という世の中の流れに敢えて逆らい、独創的な木製ドローンに挑戦!私は、この制作者にあってみたくなり、埼玉県内のドローン工房をお尋ねし、野村先生に会うことができました。
以下は、野村先生のお話しです。
私がドローンを手にしたのは約5年前で、専門学校でドローン専門のコースの開設に伴い授業やドローンのインストラクターを務めた頃で、偶然知り合った海外の大学の先生から『誰でもドローンは自作できますよ』と言われたのです。そこで、技術屋の私としては、外国のキットを購入し試行錯誤を繰り返した結果、自製のドローン飛ばせるようになりました。ただ一機作るのに約10万円ほどの経費がかかり、何か他に代用品はないかとあちこち探した結果、ホームセンターで桐材のスノコが目に止まりました。 ただ、木なので強度はどうか、耐久性はどうかなど不安がありましたが、強度試験や構造等の工夫で心配は払しょくされました。
木製ドローンの長所は、
- 他の素材に比べ安価である。
- 身近にいつでも入手できる。
- 加工が簡単。
- 形状変更が容易。
- 修理が容易で費用が安い。
- 自分で設計したドローンができる
等があります。
今は、より多くの人に木製ドローンを知ってもらいたいと願っています。
以上が、野村先生に伺った内容です。まるで少年のように目を輝やかせ、話してくれました。
そこに、近頃出会うことが少なくなった、次世代を探求する飽くなき「研究者魂」を見る思いがしました。
以上