2025年5月16日 13:30~17:00

 対特殊武器とは、特殊武器の総称である「CBRN」(化学(Chemical)、生物(Biological)、放射性物質(Radiological)、核(Nuclear))環境下でも、作戦が遂行できるようにすることを意味します。大宮駐屯地(埼玉県大宮市)に所在する陸上自衛隊化学学校は、自衛隊唯一の「対特殊武器」の教育・研究機関です。

 このたび化学学校の協力を得て、会長以下12名は、5月16日(金)に化学学校を研修することができました。
 研修は、会長以下代表者による学校長表敬の後に、駐屯地広報班長の佐々木様によるブリーフィングと主要装備品や駐屯地史料館の見学でした。 ブリーフィングでは、「化学学校の教育や調査研究の概要」「CBRN関係機関との連携」「化学科職種としての防衛協力や国際交流への取組み」「地方自治との連携」などについて説明がありました。

自衛隊唯一の「対特殊武器」教育・研究機関を研修
自衛隊唯一の「対特殊武器」教育・研究機関を研修

 特に化学科職種の隊員は陸上自衛隊のごく少数で、日陰的存在でしたが、地道な教育訓練と研究開発を積み重ねてきたことにより、「地下鉄サリン事件」においても淡々と任務を遂行できたことや、昨年は国際機関である化学兵器禁止機関(OPCW)の指定ラボに認証されたとの話が印象的でした。※指定ラボ:現在25カ国、30機関が認証を受けており、日本では化学学校のみ
装備品の見学では「NBC偵察車」、「除染車」「個人用防護装備」などを見学し、その特性や能力等の説明を受けました。「個人防護装備」では、実際に装着することもでき貴重な体験ができました。

最後に史料館では、各国や歴代の化学防護装備品や特殊武器戦の歴史などを見学しました。
今回の研修は、本学会の会員で「地下鉄サリン事件」で地下鉄の除染活動の隊長として活躍した元陸上自衛官の中村氏のご尽力により実現したものであることを申し添えます。

駐屯地史料館前にて
自衛隊唯一の「対特殊武器」教育・研究機関を研修

駐屯地史料館前にて