メールマガジン「大地と光」風ニュース(2021年3月11日)

 タムス浦安病院の竹内正人先生から、本マガジン「大地と光 『風』」欄に、「風の時代 」に未来を実装する」と題して、 医師の視点から、日本市民安全学会の未来についてご提言をいただきました。会員の皆さまと一緒に考えていきたいと思います。

「風の時代」に未来を実装する
タムス浦安病院リハビリテーション科部⾧ ・ 千葉大学特任教授 竹内正人

 コロナで幕を開けた新時代。占星術的にはelement mutationが起きる時代(約200~240年周期)を迎えた。1600年代の江戸開府による「火」で起こり、1800 年代産業革命に端を発した「土」が承け、そして 2020 年 12 月 22 日から地球は新時代の「風」を迎えた。「土」の時代は「目に見えるもの」が幸せの指標であったが「風」の時代は「目に見えないもの」が幸せの指標となる。日本市民安全学会も【風の時代】に①シンプルにして(Less is more.本質 ・原点)、②心が喜ぶ方向に、③発信していく(協奏・貢献)ことが重要だ。

 ビックデータ・AI・IoT など「人類文明の大変革」となる【第四次産業革命】を私たちは生き残る必要がある。①その包括性とスピードの意識を高め、②課題を明確にして取り得る対応に重点を置いた思考の枠組みを構築し、③課題について官民の協力や提携を推進するプラットフォームを提供することが大切だ。

 第四次産業革命時代の革新的科学技術が台頭する【医療 4.0】の到来で①医療との接点が医療機関以外にも広がる「多角化 」、②個人個人に応じたオーダーメード化が進む「個別化」、③医療の主体が患者自身に代わっていく「主体化 」が進んでいく。日本市民安全学会の中で私は【食べる・動く・生きる支援】で「病気 」になってからだけではなく手入れをして「整える」こと、「治療 」だけではなく「回復 」する力を向上させることを①弱くなった人間前提の環境を作り②人間力回復の医療とリハケアを行い③生きることの味や大切さがわかる取り組みをしていきたい。

 2016 年 「第5期科学技術基本計画 」で【Society 5.0】という日本発の未来社会像の概念が提唱された。「ICT を最大限に活用し、サイバー空間とフィジカル空間(現実世界)とを融合させた取組により、人々に豊かさをもたらす『超スマート社会 』を未来社会の姿として共有し、その実現に向けた一連の取組をさらに進化させつつ『Society 5.0』として強力に推進し、世界に先駆けて超スマート社会を実現していく」。

 前の時代、次の時代との「つながり」の中で自らを知り、世のために何をなすか。人間の変わらない「普遍的な価値 」を【SDGs(持続可能な開発目標)】はいかに時間を越えて「つなぐ・つなげる」ことをしていくかという体系でもある。世代を超えて全ての人が自分らしくよりよくより豊かに生きる支援に貢献したい。 日本市民安全学会では、①理想を描いて道筋を示す「インパクト」、②不確実性を飼い慣らす「リスク」、③秩序を作る「ガバナンス」、④納得感を醸成する「センスメイキング」で、【未来を実装する】ことをしていくべきである。

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