メールマガジン「大地と光」Visionary(2021年12月16日)

学会会員の牧瀬稔さん(関東学院大学)が、地域づくりの書籍を上梓されました。牧瀬さんから学会会員向けに特別に紹介文をご寄稿いただきましたので、目次とあわせて御覧ください。


関東学院大学法学部准教授・社会情報大学院大学特任教授 牧瀬稔
地域づくりのヒント 地域創生を進めるためのガイドブック 牧瀬稔

ISBN : 978-4910255071

地域づくりのヒント
目次

『地域づくりのヒント』

 先日『地域づくりのヒント』(社会情報大学院大学出版部)を出版しました。本書の紹介をします。

 長年、私は地域づくりに携わってきました。民間企業や地方自治体、国の外郭団体、今は大学に軸足を置き、地域づくりに取り組んでいます。私は多様な立場から地域づくりを進めてきました。どの立場であっても、地域づくりを成功の軌道に乗せる手段は大差ありません。その視点を本書に記しています。

 本書は第Ⅰ部、第Ⅱ部、第Ⅲ部に分かれています。

 第Ⅰ部は、本書の「総論」の位置づけです。地域づくりの具体的視点をまとめています。5論考を用意しています。第1章は国が進める地方創生の意図と総括を述べています。第2章は私が携わった地域づくりの具体的事例を紹介しています。第3章は地域づくりを成功させていく一視点として、公民連携とオープンイノベーションを言及しました。第4章は第2期地方創生と切り離せないSDGsを記しています。第5章は私の考える地域づくりの展望です。

 第Ⅱ部は、地域づくりを進める上で、基本的なキーワードを例示しています。例えば、関係人口、人口還流、インバウンド、EBPM、シビックプライド、コンパクトシティ、税外収入など多様なキーワードを紹介しています。私が地域づくりの現場に行くと、概念が曖昧なまま使われている現状が多くあります。

 第Ⅲ部は、私が地域づくりに関して、尋ねられることを「Q&A形式」でまとめています。56のQ&Aを記しています。56のQ&Aを「地域イノベーションの視点」から「議会のあり方」まで9カテゴリーにわけています。

 本書の副題に「地域創生を進めるためのガイドブック」と記しました。私は「ガイドブック」を意識して執筆しました。私が意図するガイドブックとは「地域づくりに携わる人に対して、地域づくりを成功の軌道に乗せるための情報を提供するための出版物」です。実践的な視点を記しているため、きっと役立つと自負しています。

 また書名には「ヒント」を入れています。ここで言うヒントとは「望ましい地域に向けて、地域づくりを進めるために手がかりとなるような情報」という意味です。本書によるヒントを参考に、地域づくりに取り組んでいただき、成功の軌道に乗ることが私の理想ですし、そうなると確信しています。

 最後になります。地域づくりを進める主体は、地方自治体(地方議会)という行政だけではありませ。地域づくりは地域で活動するすべての主体が関係者となります。地域に存在する多様な主体が「地域づくりを開始しよう!」と考えた時、本書は役立つと思います。本書を手に取っていただけると幸いです。

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