2018年4月7日

[主催]日本市民安全学会
[場所]有楽町国際ビル8F・日本倶楽部

[内容]
第一講:
 子どもと教師のためのホリスティック教育/ケア学の可能性

自由学園最高学部特任教授 成田喜一郎氏

ホリスティックとは、「全体的な」という意味で、ギリシャ語の「holos」を語源としていて、そこから、「whole」「heal」「health」などの言葉が派生して生まれているそうです。社会や文化や自然など全体的な視点で、共に学び、学び合うという教育やケアについてお話ししていただきました。あらゆるものがつながり(Connection)、様々な分野とのバランスをとり(Balance)、多様なリテラシー・スキルを取り込み(Inclusion)、それらを継続することこそがホリスティック教育であるとのことでした。日本市民安全学会の今年度のテーマであるAIと教育のつながりについても説明していただきました。

第二講:
 子どもの自立を支える公教育 ~学校教育の課題~

神奈川大学 法学部特任教授 鈴木英夫氏

学校のマーケット化、サービス業化といった話から、日本の学校教育の仕組み、キャリア教育に至るまで、様々な視点からお話ししていただきました。学校の中で行われる授業はもちろん重要ですが、人を人とする教育には地域とのつながりが大切であるとのことでした。また、コントロールすることではなくケアすることによって、子どもの心に響き合うことが大切で、それを実行していた校長時代のご経験などをお話ししていただきました。
続く討論会では、PTA会長経験者にお話ししていただきました。三橋氏からは、子どものケータイ・スマホ利用についてPTAが行っていることについて、小松氏からは、PTAの組織運営や問題点について、新谷氏からは、現代のPTAの意義について、それぞれ話題提供をしていただきました。また、保護者がPTA役員をやって良かったと感じてもらえるように、会長として気を配っているとのことでした。

ホリスティックという言葉に初めて出会いました。全体的、統合的に考えるというのは、日本市民安全学会の考え方にも通じるものではないかと感じました。また、学校教育における地域とのつながりの大切さ、地域のPTAのみなさんの活躍など、非常に多くの学びを得られた勉強会となりました。