メールマガジン「大地と光」風ニュース(2021年2月17日)
新しく会員となられた、相模原市独立防災隊の堀口会⾧からご寄稿いただきました。コロナ禍で、さまざまなイベントが中止になる中、訓練だけは続けていこうと模索されています。みなさまがお住まいの地域の自主防災活動の大きなヒントになると思います。
簡易無線機を使ったコロナ時代の新しい防災訓練の紹介
相模原市中央区光が丘自治会連合 独立防災隊連絡協議会
会⾧ 堀口 眞
私どもの地区もこのコロナ禍で防災訓練は全て中止、何とか「三密を避けて」必要な防災訓練は出来ないか?各防災組織が持つ 95 台簡易デジタル無線機を活用し情報伝達訓練・各自治会が発災時にやるべき最低限度の発災業務を合わせた訓練を企画。従来の集合訓練と同じ規模の訓練ができたので、ご参考まで報告します。
【独立防災隊】
相模原市中央区光が丘地区は独特の防災組織 「独立防災隊 」があります。聞きなれない名前ですが、この隊は「私たちのまちは私たちで守る」と言う理念で「定年無し」「志願隊員 」のみで構成されています。私が所属する「緑が丘2丁目独立防災隊 」には最高年齢 84 歳の現役隊員が3名もおります。皆さん元気です。
現在ある「自主防災隊」は殆ど自治会⾧が隊⾧ ・隊員は班⾧で1年交代・・・これでは防災技術も装備も伝承されません。そこで自治会には所属しますが、この組織は独立した組織として自治会と協力して防災の事業を計画 ・実施 ・運営する「専業防災隊 」を設立 しました。現在、地区の自治会の内22 防災隊の内 14 隊が独立防災隊を設立して独立防災連絡協議会を結成しています。
【防災の基幹:デジタル無線機】
防災は情報伝達こそ「防災の基幹 」としてデジタル無線機(一台約 3.5 万~4万円 ・交信範囲約4キロ)を計画的に購入しております。現在全体で 95 台自主防災隊も含め最低2台から7台保有をしています。そして発災時に役立つよう、感度チェック、通話技術、実践的訓練も繰り返してきました。
また、情報の複線のため、アマチュア無線も防災隊の名前で取得し、市の総合防災訓練に参加しています。
【コロナ禍での実践的訓練】
この二つの訓練を基本に、「密を避けつつ」、令和2年(2020 年)11 月 15 日(日)『実戦的訓練 大地震発生時 防災組織の行動訓練 』として実施しました。
参加した地区自治会は全 22 自治会、地区対策本部・本部6か所、計28か所の拠点、参加者は隊員と自治会班⾧を含め約 450 名でした。
1. 各自治会は大地震発生後、「必修訓練 」として「自治会対策本部」を設置します。
2. 次に「一時避難所 」開設します。その間町内をパトロールして「被害情報の報告、救助要請等 」無線で自治会対策本部へ連絡。地区で手に余るものは、上部組織へ、さらに光が丘地区対策本部へ無線で報告するという流れです。
3. さらに「特別訓練 」としては各自治会の事情に任せ1回以上の特別訓練をするように指示、各隊の自主性に任せました(報告書によれば、自主防災隊と独立防災隊との格差は大きい事が判明)。
4. この報告書を 32 ページにまとめ1冊の資料として各防災隊、隊員に配布しました。
* * * 実際に大地震(地区では大地震を想定)が起きれば自治会として発災時に「なすべきこと決まっている」。2~3日は近隣の自治会や行政が支援に行くことは難しい。発災時こそ防災隊の真価が問われます。