寄稿No.8: 2015年2月
学会顧問 高木 裕己
株式会社 映学社 代表取締役
1 教育映像祭で受賞
今年、弊社は創立20周年の節目の年を迎えました。“阪神・淡路大震災”を機に防災教育の必要性を強く感じ立ち上げた会社です。弊社の防災関連作品は、今では全国の各消防署等で活用され、社会貢献型の事業所と位置付けられてきました。
弊社の作品は、平成26年度の教育映像祭で、文部科学大臣賞・最優秀作品賞が2作品、優秀作品賞が5作品の栄誉を賜ることになりました。
この教育映像祭は、昭和29年から永きにわたって実施されている伝統ある映像祭です。
平成26年は、百数十本の参加作品の中から、受賞作品が選ばれました。その中で、弊社の作品が数多く受賞できたのは、会員の皆様のご指導、ご協力の賜物だと深く感謝しています。
ところで“啓発映画”は、官庁関係が制作予算を取って企画し配布するという形式が一般的です。しかし弊社は1995年創設以来、企画・制作・配給まで一貫した流れを自主制作で行っています。今までに400本近くの作品を制作してきました。
2 啓発映画の課題
“啓発映画”を自主制作するには、幾つかの課題があります。
基本的に弊社の作品は公費で購入してもらえるように働きかけています。そのためには、社会の中で起きている問題を常にキャッチし、スピーディに話題性を取り入れ企画・制作することが必要です。また内容的にも、正確性、分かり易い構成力が問われています。
そこで、その事を技術的に心掛けていることは、決してナレーションに頼らず、説得力のある“映像で語る”という事です。
こうした制作の作業を積み重ねていく中で、様々なジャンルの著名な先生方からの監修を得られるようになってきました。弊社の作品は自主制作が主ですので、縛りがありませんし、常に監修者の意見を充分に反映するように心がけています。そのことも併せて、弊社の作品に信頼性が出てきているのではないかと自負しております。
3 地域力強化のために
最後に、弊社も日本市民安全学会に入会させて頂き、会員の方々のご協力で撮影場所の紹介、撮影協力者のご紹介など、また作品によっては、当会の推薦なども頂くなど大変お世話になっております。
いま益々、少子高齢化が進展する中で、様々な問題が複雑化、陰湿化しています。そうした問題を解決する為のひとつは、“地域力”に期待が寄せられています。日本市民安全学会の取り組みの一つは、正に“地域力”をいかに強化するかの活動です。
弊社も、微力ながら映像を通してその活動を支援していきたいと考えています。
追記:高木裕己様 制作統括監督の作品『最期の願い どうする自宅での看取り』が、2015年5月6日、2015ワールドメディアフェスティバル(ドイツ・ハンブルク)にて、銀賞に選ばれました。