2016年6月19日

[主 催]日本市民安全学会
[後 援]警察政策学会、市民生活と地域の安全創造研究部会
[会 場]らいおんハートクリニック 4階研修室 (行徳駅前)

[内 容]
第1部 特別講演「高齢者福祉における尊厳」
前関東福祉専門学校 校長 阪田震一氏

介護が必要な高齢者が増える中、それを支える担い手の育成についてお話をいただきました。単なる介護サービスの提供ではなく、入居者の自立を促すこと、個人の尊厳を大切にすることに重点がシフトしているとのことでした。一方で、自立や尊厳を大切にすると、介護を行う側の手間や時間が増えることも事実で、自立と介護のバランスの判断はかなり難しいようです。それに伴い、求められる介護士像は非常に高くなってきているとのことでした。

第2部 特別研修
「らいおんハートクリニックの『体にやさしい治療』とは」
らいおんハートクリニック 
リハビリテーション科 松岡公平氏


ひとりひとりに合った治療、安全かつ効果的な治療などの治療方針や、自立支援に向けたリハビリの取り組みなどについてお話をいただきました。自然治癒力を利用したMPF療法や、ロボットスーツHALを活用したリハビリなども取り入れ、また、介護施設では、デイサービス、ショートステイ、訪問介護など多種多様なニーズに応えられる体制を敷いているとのことでした。

第3部 新企画「談話室:裕子のシニアライフサロン」
       シニアライフデザイン代表 堀内裕子氏

ジェロントロジー(老年学)のスペシャリストである堀内裕子氏のコーディネートで、高齢者の日々の問題を議論しました。遺影撮影会や散骨体験、エンディングノートについて紹介していただきました。パネラーとして、阪田氏や松岡氏、石附会長なども加わり、さまざまな観点からシニア議論が進みました。死について語り合う“デスカフェ”の話題なども登場し、「就活」ならぬ「終活」が楽しくなるサロンとなりました。

今回は、見えざる高齢者の危機に対し、それぞれの専門家から見える化をしていただきました。暗くなりがちな高齢者問題を明るく面白く見つめなおすことができたのは日本市民安全学会ならではないでしょうか。