2017年10月15日

[主催]日本市民安全学会
[会場]千代田区日比谷図書文化館 スタジオプラス(小ホール)

[内 容]
どう育む『鍵と指紋』を守るこころ
~レンズで盗まれるあなたの『鍵と指紋』最前線~
日本防犯設備協会特別顧問 富田俊彦氏

 大切なものを守るための「鍵」が変わってきています。自動車はキーレスエントリーに、家はカードをかざしたりスマホで操作したりするだけで解錠できるようになってきました。その便利な部分を、泥棒は悪用して犯行に及んでいるとのことです。生体認証によるセキュリティも“悪用”が行われています。スマホで撮った写真がもとで指紋が盗まれることもあるとのことです。また、思わぬ方法でスペアキーを作られてしまう状況となっており、それを防止するためのグッズを参加者に配っていただきました。さらに、大切な財産をしまっておく金庫も、選び方に注意が必要とのことです。

超高齢社会の『土地』が食い物に
~反社会勢力と地面師の暗躍など最近の暴力団情勢~
暴力団離脱指導講師、篤志面接委員、
元全国暴力追放運動推進センター特別講師、
元警視庁暴力団対策課長 中林喜代司氏

近年の暴力団の動向を、報道から読み解いたお話をしていただきました。キーワードのひとつ目は「ダチョウ現象」です。敵を前にすると砂の中に頭を突っ込んで、敵を見ようとしないダチョウと同様に、「暴力団問題は解決しない」と思ってしまっている社会があるとのことです。キーワードのふたつ目は「ローリスク・ハイリターン」です。組織実態を隠し、企業活動を装い、しかも、表ざたになりにくいところで資金の流れを作る収益構造となっているとのことです。そのほか、最近の報道から暴力団の暗躍について解説していただきました。

話題提供「特殊詐欺の情勢」
セコムIS研究所 濱田宏彰氏

最近の特殊詐欺の状況について、データを中心に解説していただきました。犯罪の傾向として、窃盗から詐欺へのシフトが続いているとのことです。手口としては、相変わらずオレオレ詐欺の被害が多いものの、国民生活センターには還付金詐欺の相談も多く寄せられているようです。さらに、金銭授受の手口が巧妙化しており、キャッシュカードを交換すると見せかけて口座の現金を奪ったり、コンビニなどで販売されている電子マネーを使ったり、コンビニ払いの仕組みを使ったりと、あの手この手で大切なお金が奪われている状況を説明していただきました。