2017年1月15日

[主 催]日本市民安全学会 ベイエリア連携の会
[会 場]江戸川区タワーホール船堀303号室

日本市民安全学会H29年度年間共通テーマ
「迫りくる大危機時代と市民安全レジリエンス」


~知識から実践へ さあ、一歩を歩き始めよう!

冒頭、石附弘会長から、次のとおり挨拶がありました。
「例年、学会の市民開放講座は年度初めの4月からとしていましたが、昨今の諸情勢は、そんな悠長なことを言っていられないほど『大きな危機』にわれわれは直面しており、危機によるダメージを前提とした『市民安全レジリエンス』が強く求められています。特に、超高齢社会と巨大地震については備えを急ぐ必要があります。そこで今年は、対策研修会を前倒しし、年明けの1月からの開催としました。安全対策の手順の1は『情勢把握』(知識の習得)、備えの手順の1は『まず歩き始めること(実践)』です。ご参加の皆様と一緒に学んでいきたいと思います」

地域包括支援センターの現状報告
新浦安駅前地域包括支援センター センター長 富永文彦 氏

4人に1人が高齢者となった今、高齢者の生活を支える窓口が重要となっています。高齢者の生活に関する相談、介護予防および介護支援などの地域包括支援センターの役割についてお話しをしていただきました。認知症に関しては、介護の難しさもあり、殺人事件にまで発展してしまう例や、徘徊中に列車にはねられる事件に関する遺族の責任問題の例など、社会問題となっているとのことでした。また、同センターの齋藤恵輝氏から、認知症の種類についての説明や、認知症サポーター養成講座について説明していただきました。

次世代の地域包括ケアシステムの展望
葛西昌医会病院 地域連携室地域連携担当課長 村瀬恵子 氏

医療・介護・福祉など、職種や領域や業種を超えた地域連携ネットワークを構築し、高齢者、こども、障がい者などが地域共生社会の 実現を目指した「ベイエリア連携の会」活動についてお話ししていただきました。また、これからの医療・介護保険制度、医療・福祉・介護職の人材養成の将来像などについて解説していただきました。

話題提供 デイリハビリ通所介護施設に勤務して
医療法人優和会グループ 生活相談員 小澤光男 氏

横須賀市追浜にあるリハビリ専門のデイケア施設4か所の管理をされており、その現場からの報告をしていただきました。療法士として利用者の介護には直接携わっていないものの、車いすの調子が悪いとか、暖房器具の調整など、施設内のちょっとした困りごとを解決し、職員が気持ちよく働ける環境をつくるため、毎日ご苦労されているとのことでした。

 今回は、「認知症と向き合う」と題し、介護の現場を中心に、社会を取り巻く福祉の問題について学びました。日本は、高齢社会と通り越し、超高齢社会に突入し、超超高齢化社会もそう遠くないといわれています。元気な高齢者が増える中、介護を必要とする人たちも多くなっています。それを支えるスタッフの方々に多数ご参加いただき、現場の貴重な生の声を聞くことができた勉強会でした。